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日本企業のベトナムEOR完全ガイド|現地法人なしで採用する方法
日本企業は、ベトナムに現地法人を設立しなくても、EOR(Employer of Record、雇用主記録代行)を利用すればベトナム人社員を合法的に雇用できます。ベトナムで登記されたEOR会社が労働契約上の雇用主となり、給与計算、社会保険、個人所得税の源泉徴収をすべて代行し、日本本社は採用する人の選定と日々の業務指示に専念します。 Nhan Kietは2009年からベトナムで事業を行うローカルのEOR・人材会社で、日本語で相談できます。本記事では、日本の人事・経営企画・海外事業の担当者がよく尋ねる質問に、ベトナムの法律と実際の費用に基づいて順番にお答えします。
要点(2026年):
- 現地法人なしでベトナム人を雇用できる。入社まで5〜7営業日。
- EOR料金は1人あたり月額総支給額の8%(最低2,600,000ドン、最高5,200,000ドン)。料金はベトナムドン建て。
- 日越租税条約(1995年署名)があり、二重課税の調整ルールが定められている。
- 日本から派遣する駐在員はEORではなくPEO(日本企業がベトナム法人を持つ場合)の対象。
- 日本語・英語で相談可能。日本との時差は2時間。
ボリューム料金:12か月以内に10名超の採用をお約束いただくと、サービス料は1人目から総支給額の7%、30名超なら6%になります。下限・上限は据え置き、料金は12か月固定で、採用計画が変わっても遡って請求しません。
日本企業はベトナムに現地法人がなくても社員を雇用できますか?
はい、EORを利用すれば現地法人なしでベトナム人社員を雇用できます。ベトナムの労働法では、労働契約を結ぶ雇用主はベトナムで登記された事業体でなければならないため、日本本社が直接ベトナム人と労働契約を結ぶことはできません。EOR会社がその雇用主の役割を引き受け、日本企業はサービス契約を通じて社員の業務を管理します。
実際によくある利用場面は次のとおりです。ベトナム市場の営業担当を1〜2名置いて需要を確かめたい場合、日本のシステム開発を支えるエンジニアを自社チームとして持ちたい場合、工場や取引先の品質管理担当を現地に置きたい場合、そして現地法人の設立手続き中に先に採用を始めたい場合です。
EOR(雇用代行)とラボ型開発・人材派遣はどう違いますか?
EORでは、採用する人も仕事の内容も日本企業が決め、社員は日本企業のためだけに働きます。一方、ラボ型開発(オフショア開発会社の専属チーム)では、エンジニアは開発会社の社員であり、評価や配置の最終権限も開発会社にあります。人材派遣は派遣会社が人を選んで送り出す仕組みで、ベトナムでは派遣できる業務と期間が法律で限定されています。
| 項目 | EOR(雇用代行) | ラボ型開発 | 現地法人 |
|---|---|---|---|
| 採用する人を選ぶ | 日本企業 | 開発会社 | 日本企業 |
| 業務指示 | 日本企業 | 開発会社経由 | 日本企業 |
| 法的な雇用主 | EOR会社(ベトナム法人) | 開発会社 | 自社のベトナム法人 |
| 立ち上げ期間 | 5〜7営業日 | 契約次第 | 数か月 |
| 撤退のしやすさ | 契約終了で対応 | 契約終了で対応 | 清算手続きが必要 |
Nhan Kietでは、法律に沿って2つの方式から選びます。労働法の労働者派遣の枠組み(政令145/2020の付録IIに定める20業務、1人あたり最長12か月)か、商法に基づくサービス契約です。どちらが適するかは職種と期間で決まり、契約前にご説明します。
駐在員事務所や現地法人と比べて、EORを選ぶべきなのはどんな場合ですか?
ベトナムでの人員が数名以内で、まず市場性を確かめたい段階ならEORが最も早く、費用も読みやすい選択です。駐在員事務所は市場調査や連絡業務はできますが、営業活動で売上を立てることはできません。現地法人は本格的な事業運営に向いていますが、投資登録や会社設立に数か月かかり、撤退時には清算手続きが必要です。
多くの日本企業は「EORで最初の数名を雇用して事業を検証し、人数が増えた段階で現地法人を設立し、社員を移籍させる」という順番を取ります。EORの社員は日本企業が選んだ人材なので、現地法人ができた後もそのまま引き継げます。比較の詳細はEOR・駐在員事務所・現地法人の比較をご覧ください。
ベトナムのEOR費用はいくらですか?
Nhan KietのEOR料金は、1人あたり月額総支給額の8%で、最低2,600,000ドン、最高5,200,000ドンです。日本企業の毎月の支払額は、総支給額、会社負担の社会保険等(23.5%)、EOR料金の合計に、請求書全体への付加価値税8%(決議204/2025/QH15により2026年12月31日まで)を加えた額です。
| 月額総支給額 | 会社負担 23.5% | EOR料金 | 付加価値税込みの月額合計 |
|---|---|---|---|
| 10,000,000ドン | 2,350,000ドン | 2,600,000ドン(最低額) | 16,146,000ドン |
| 20,000,000ドン | 4,700,000ドン | 2,600,000ドン(最低額) | 29,484,000ドン |
| 50,000,000ドン | 11,750,000ドン | 4,000,000ドン | 71,010,000ドン |
会社負担23.5%の内訳は、社会保険・医療保険・失業保険の21.5%と労働組合費2%です。保証金として1人あたり総支給額1か月分をお預かりし、契約終了時に返金します(2026年10月1日以降の新規契約)。入社手数料、退職手数料、法人設立費用、為替手数料はかかりません。請求書は毎月1通です。料金の詳しい計算はEOR費用と料金表、職種ごとの試算は人件費計算ツールで確認できます。
ベトナム人社員の採用から入社まで、どんな手順で進みますか?
契約から入社までは通常5〜7営業日で、日本企業が行うのは人選と条件の決定だけです。手順は次の5つです。
- 日本企業が候補者を選び、職務内容・給与・入社日を決める(Nhan Kietの人材紹介を使うことも可能)。
- Nhan Kietと日本企業がサービス契約を締結する(ベトナム語・英語の二言語)。
- Nhan Kietが社員とベトナム労働法に沿った労働契約を結ぶ。
- 社会保険・医療保険・失業保険に加入し、個人所得税の登録を行う。
- 毎月、給与計算・支払い・保険料と税の納付を行い、日本企業には請求書1通と給与明細を送る。
試用期間、年次有給休暇、残業代、退職時の手続きもベトナム労働法に沿って管理します。最低賃金は地域ごとに定められており、ホーチミン市やハノイの中心部(第1地域)は月額5,310,000ドンです(政令293/2025)。詳しくは地域別最低賃金をご覧ください。
日本とベトナムの間で、税金や社会保険はどう扱われますか?
ベトナムで働くベトナム人社員は、ベトナムの社会保険に加入し、ベトナムで個人所得税を納めます。EORを利用する場合、これらの申告と納付はすべてNhan Kietが行うため、日本本社がベトナムで税務登録をする必要はありません。
日本とベトナムの間には「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための協定」があり、1995年10月24日にハノイで署名され、1995年12月31日に発効しています。日本本社から見たサービス料の会計処理や、恒久的施設(PE)の判断については、日本側の税理士にもご確認ください。なお、日越間の社会保障協定は2025年7月に政府間交渉が始まった段階で、まだ発効していません。
日本人の駐在員もEORで雇用できますか?
いいえ、Nhan KietのEORはベトナム人社員が対象で、日本人の駐在員は対象外です。外国人がベトナムで働くには労働許可証が必要で、外国人労働者に関する政令219/2025に基づく手続きと、受け入れるベトナム法人が求められます。
すでにベトナム法人をお持ちの日本企業には、PEO(人事・給与・労務管理の代行)で駐在員と現地社員の両方を支援しています。仕組みはベトナムのPEOサービスで解説しています。現地法人がない段階では、ベトナム人社員をEORで雇用し、日本人の出張・管理は日本本社側で行う形が一般的です。
日本語での対応や時差、契約書の言語はどうなりますか?
Nhan Kietには日本語を話すスタッフがおり、見積り、契約前の相談、日々の質問に日本語で対応できます。英語でも対応します。サービス契約書はベトナム語・英語の二言語で作成し、ベトナム法の下で有効な内容にします。
日本とベトナムの時差は2時間(ベトナムが2時間遅い)で、日本の午前中はベトナムの朝にあたるため、日次の打ち合わせを組みやすい関係です。ベトナムでは旧正月(テト)に長めの休暇があり、テト前の賞与が慣習になっている業界もありますが、労働法第104条により賞与の有無と金額は会社が決めます。
Nhan Kietはどのような会社ですか?
Nhan Kiet(Nhan Kiet Supplying Manpower Co., Ltd、税番号0308022768)は、2009年からベトナムで事業を行うローカルの人材会社です。労働者派遣ライセンス第15/2019/SHCM号と職業紹介事業ライセンス第22139/2023/45/SLĐTBXH-VLATLĐ号を持ち、ISO 9001:2015、ISO 45001、ISO 14001、ISO/IEC 27001:2022を取得しています。40,000人以上の労働者が当社を通じて働き、ホーチミン市、ハノイ、ハイフォン、ダナン、ドンナイなど7拠点で運営しています。
2026年には、3つの独立したランキング(Employsome 4位/20社・2026年10月15日更新、People Managing People 6位/12社・2026年10月8日、EOR Overview 7位/10社・2026年10月14日)でベトナムのEORトップ10に選ばれ、3つすべてに名前が載った唯一のベトナム企業です。詳しくはベトナムのEORランキング、EOR導入事例、ベトナムのローカルEOR企業とはをご覧ください。
ベトナムでの採用をご検討中の日本企業の方は、ベトナムEORサービスのページ、またはお電話(+84 908 636 108、副社長 Nguyen Quoc Trung)・メール(trungnguyen@nhankiet.vn)でご相談ください。日本語で対応いたします。
法的根拠
ベトナム政府の公式ポータルに掲載された原文(ベトナム語):
- 2019年労働法(第45/2019/QH14号)
- 2024年社会保険法(第41/2024/QH15号)
- 2024年労働組合法(第50/2024/QH15号)
- 政令145/2020/NĐ-CP: 労働条件および労使関係に関する労働法の施行細則
- 政令219/2025/NĐ-CP: ベトナムで働く外国人労働者
- 政令293/2025/NĐ-CP: 地域別最低賃金
- 決議204/2025/QH15: 付加価値税の減税
- 日越租税条約(1995年10月24日署名、1995年12月31日発効): ベトナム税務誌による二重課税回避協定一覧
