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EORベトナムの費用|手数料・社会保険・VATの総コスト2026
執筆者 Nguyễn Quốc Trung — 副社長 · 更新日
ベトナムでEmployer of Record(EOR/記録上の雇用主)、いわゆる雇用代行を利用する費用は、「サービス料」と「法律で定まる雇用コスト」という2つの層に分かれます。 Nhan Kietのサービス料は総支給額の8%(1人・1か月あたり)で、下限は2,600,000ドン(約99米ドル)、上限は5,200,000ドン(約199米ドル)です。保証金・初期費用・解約費用・為替手数料はありません。その上に、法律で決まる雇用主の法定拠出金(ベトナム人は算定基礎の23.5%、外国人は22.5%)と、請求書全額にかかる8%の付加価値税(VAT)が乗ります。本記事は、給与5水準の実額計算とともに各項目を一つずつ分解し、御社が自ら総コストを組み立てられるようにするものです。すべての数値は2026年9月時点、拠出上限が変わった2026年7月1日以降の給与計算期間に基づきます。
要点
- サービス料は総支給額の8%。下限2,600,000ドン(約99米ドル)、上限5,200,000ドン(約199米ドル)。保証金・初期費用・解約費用・為替手数料・別途のソフトウェア料は不要です。
- 雇用主の法定拠出金は、ベトナム人が23.5%(強制保険21.5%+労働組合費2%)、外国人が22.5%(失業保険がないため)です。
- 社会保険・健康保険・労災・組合費の算定基礎は2026年7月1日から月額50,600,000ドンが上限。失業保険は別基準で、第I地域は106,200,000ドンです。
- VATは8%で、サービス料だけでなく請求書全額(総支給額+法定拠出金+サービス料)にかかります。これが最大の誤解ポイントです。
- 総コストは、給与が上がるほど上乗せ率が下がります(総支給額の61.5%→27.0%)。上限が効くためです。
- 13か月目の給与・テト賞与は社会保険の算定基礎の対象外。サービス料の下限・上限の枠内で8%が乗り、8%のVATがかかるだけです。
- 日越社会保障協定は2026年9月時点で未発効です(2025年7月に政府間交渉を開始)。ベトナムの社会保険が免除される仕組みは現時点で存在しません。
ベトナムのEOR費用はどのような仕組みで決まりますか?
ベトナムのEOR費用には「定額(多くは米ドル建て)」「総支給額に対する割合」「割合+下限・上限」の3つの型があり、どの型か、そして下限・上限がどこに置かれるかで、同じ給与でも総額は大きく変わります。Nhan Kietは3番目の「割合+下限・上限」を採用しています。
- 定額(1人・1か月あたり):給与が10,000,000ドンでも100,000,000ドンでも同額です。海外の大手プラットフォームに多く、多くは米ドル建てで、範囲や含まれるサービスにより概ね月額199〜699米ドルです。予測しやすい一方、ジュニア職には割高になります。
- 総支給額に対する割合:手数料が給与に連動します。ジュニア職には安い一方、上限がないとシニア職で過大になります(100,000,000ドンに10%なら、1人の管理に月10,000,000ドンです)。
- 割合+下限・上限:割合ですが、定めた下限を下回らず、定めた上限を超えません。Nhan Kietの方式です。下限はどの給与でも生じる固定管理コストを賄い、上限は高い給与帯で料率が過大になるのを抑えます。
- 比較の第一歩は「いくら」ではなく「3つのどれで、境界がどこか」です。定額199米ドルと、上限5,200,000ドンの8%は、給与の高い側で近づき、低い側で大きく開きます。
- サービスの全体像はEORベトナムのサービスページをご覧ください。
Nhan KietのEOR手数料はいくらですか?
Nhan Kietのサービス料は総支給額の8%(1人・1か月あたり)で、下限は2,600,000ドン(約99米ドル)、上限は5,200,000ドン(約199米ドル)です。保証金・初期費用・解約費用・為替手数料・別途のソフトウェア料はいずれもありません。
- サービス料:総支給額の8%(1人・1か月)。
- 下限:1人・1か月あたり2,600,000ドン(約99米ドル)。給与がどれだけ低くても、これを下回りません。
- 上限:1人・1か月あたり5,200,000ドン(約199米ドル)。給与がどれだけ高くても、これを超えません。
- 保証金なし。1〜2か月分の給与を担保として預かる事業者もありますが、Nhan Kietは不要です。
- オンボーディング費・オフボーディング費なし。
- 法人設立・維持コストなし(法人はすでに存在するため)。
- 為替手数料なし。
- 別途のソフトウェア料なし。全クライアントに管理プラットフォームのアカウントを無償で提供します。
- 価格はベトナムドン建てです。米ドルは目安の換算で、ドル未満は四捨五入しています。
- 外国人と労働許可証は別建てで見積もります(理由は後述します)。
- 8%は総支給額全体に対して計算し、社会保険上限を超える部分も除外しません。より狭い基礎に割合をかける事業者と比較する際に重要です。
EORの月額請求書にはどんな項目が並びますか?
Nhan KietのEOR請求書は「総支給額」「雇用主側の法定拠出金」「サービス料」の3行に、その合計へ8%のVATを乗せた形です。従業員本人の拠出と個人所得税は総支給額から差し引かれるもので、請求額に上乗せされるものではありません。
- 総支給額:御社と従業員が合意した金額そのままです。EORは上乗せしません(パススルー)。
- 雇用主側の法定拠出金:強制の社会保険、健康保険、労働災害・職業病保険、失業保険と労働組合費。これも法定料率でパススルーです。
- サービス料:上記のとおりです。
- VAT8%:上記3行の合計に対して課税されます。
- 請求書に「乗らない」もの:従業員本人の拠出金と個人所得税です。これらは総支給額から源泉控除され、従業員の手取りを変えるだけで、御社の支払額は変えません。
雇用主が負担する法定拠出金は給与の何%ですか?
ベトナム人従業員では、雇用主は算定基礎の21.5%を強制保険に、加えて2%の労働組合費を負担し、合計23.5%です。外国人従業員は失業保険がないため22.5%になります。従業員本人の負担はベトナム人が10.5%、外国人が9.5%です。
ベトナム人の場合の雇用主負担の内訳は次のとおりです。
- 社会保険(BHXH):17%
- 労働災害・職業病保険:0.5%
- 健康保険(BHYT):3%
- 失業保険(BHTN):1%
- 労働組合費:2%(事業所に草の根の労働組合がなくても、2024年労働組合法(No. 50/2024/QH15)により強制されます)
外国人従業員には失業保険が適用されないため、雇用主側は22.5%になります。従業員本人の負担はベトナム人が10.5%(社会保険8%、健康保険1.5%、失業保険1%)、外国人が9.5%です。組合員会費0.5%はこれとは別物で、実際に組合員である従業員のみが支払い、月額253,000ドンが上限です(決定61/QĐ-TLĐ)。上限効果の詳しい解説はベトナムの雇用主負担には上限がある(2026年)をご覧ください。
社会保険・健康保険の算定基礎に上限はありますか?
あります。社会保険・健康保険の算定基礎は、2026年7月1日から月額50,600,000ドンが上限です(基準額2,530,000ドンの20倍)。同日より前は46,800,000ドンでした。労災の拠出と2%の労働組合費も同じ基礎を用いるため、同じ上限を引き継ぎます。
- 上限:2026年7月1日から月額50,600,000ドン。根拠は政令161/2026/NĐ-CPで、基準額2,530,000ドンの20倍です。
- 従前:同日より前は46,800,000ドンでした。
- 同じ基礎・同じ上限:労働災害・職業病保険と2%の労働組合費も、この基礎を共有します。
- 契約給与は地域別最低賃金以上でなければなりません(政令293/2025/NĐ-CP、2026年1月1日から)。第I地域5,310,000ドン、第II地域4,730,000ドン、第III地域4,140,000ドン、第IV地域3,700,000ドンです。
失業保険にも同じ上限が適用されますか?
いいえ。失業保険(BHTN)の上限は別基準で、基準額ではなく地域別最低賃金の20倍に従います。第I地域は月額106,200,000ドン、第II地域94,600,000ドン、第III地域82,800,000ドン、第IV地域74,000,000ドンです。上限が2種類、基礎が2種類ある点が重要です。
- 社会保険・健康保険・労災・組合費:50,600,000ドンで頭打ちになります。
- 失業保険:地域別に別の上限。第I地域106,200,000ドン、第II地域94,600,000ドン、第III地域82,800,000ドン、第IV地域74,000,000ドンです。
- 給与に一律21.5%を掛ける計算は、高い給与帯で実コストを過大評価します。総支給額100,000,000ドンでは、実際の保険コストは11,373,000ドンで、21,500,000ドンではありません(89%の過大)。シニア職の見積りが高すぎる場合、たいていこれが原因です。
総支給額1,000万〜1億ドンで、EORの総コストは実際いくらですか?
第I地域・扶養家族なし・2026年7月1日以降の給与計算期間・VAT8%込みの前提で、総支給額100,000,000ドンの月額総額は126,991,800ドン(上乗せ27.0%)、総支給額10,000,000ドンでは16,146,000ドン(上乗せ61.5%)です。各行は上記の料率から再現できる計算です。
| 総支給額(ドン) | 雇用主負担 | サービス料 | VAT 8% | 月額請求総額 | 総支給額への上乗せ |
|---|---|---|---|---|---|
| 10,000,000 | 2,350,000 | 2,600,000(下限) | 1,196,000 | 16,146,000 | 61.5% |
| 20,000,000 | 4,700,000 | 2,600,000(下限) | 2,184,000 | 29,484,000 | 47.4% |
| 30,000,000 | 7,050,000 | 2,600,000(下限) | 3,172,000 | 42,822,000 | 42.7% |
| 50,000,000 | 11,750,000 | 4,000,000(8%) | 5,260,000 | 71,010,000 | 42.0% |
| 100,000,000 | 12,385,000 | 5,200,000(上限) | 9,406,800 | 126,991,800 | 27.0% |
総支給額100,000,000ドンでは、月額請求総額は126,991,800ドン(総支給額への上乗せ27.0%)で、総支給額10,000,000ドンの61.5%と対照的です。各行の内訳は次のとおりです。
総支給額10,000,000ドン
- 法定拠出金(23.5%):2,350,000ドン
- サービス料:8%なら800,000ドンですが、下限が適用され2,600,000ドン
- 小計:14,950,000ドン
- VAT8%:1,196,000ドン
- 月額請求総額:16,146,000ドン(上乗せ約61.5%)
総支給額20,000,000ドン
- 法定拠出金(23.5%):4,700,000ドン
- サービス料:8%なら1,600,000ドンですが、下限が適用され2,600,000ドン
- 小計:27,300,000ドン
- VAT8%:2,184,000ドン
- 月額請求総額:29,484,000ドン(上乗せ約47.4%)
総支給額30,000,000ドン
- 法定拠出金(23.5%):7,050,000ドン
- サービス料:8%なら2,400,000ドンですが、下限が適用され2,600,000ドン
- 小計:39,650,000ドン
- VAT8%:3,172,000ドン
- 月額請求総額:42,822,000ドン(上乗せ約42.7%)
総支給額50,000,000ドン
- 法定拠出金(23.5%):11,750,000ドン
- サービス料:8% = 4,000,000ドン(下限と上限の間)
- 小計:65,750,000ドン
- VAT8%:5,260,000ドン
- 月額請求総額:71,010,000ドン(上乗せ約42.0%)
総支給額100,000,000ドン
- 法定拠出金:12,385,000ドン(23,500,000ドンではありません。両方の上限が効くためです)。社会保険・労災・健康保険は上限の50,600,000ドンを基礎に算定します(20.5% = 10,373,000ドン)。失業保険は第I地域の上限106,200,000ドンに達していないため、100,000,000ドン全額に1%(1,000,000ドン)。労働組合費は上限の基礎に2%(1,012,000ドン)。
- サービス料:8%なら8,000,000ドンですが、上限が適用され5,200,000ドン
- 小計:117,585,000ドン
- VAT8%:9,406,800ドン
- 月額請求総額:126,991,800ドン(上乗せ約27.0%)
なぜ給与が高いほど上乗せ率は下がるのですか?
法定拠出金もサービス料も一定の水準で増加が止まる一方、給与は増え続けるからです。上乗せ率は5水準で61.5%、47.4%、42.7%、42.0%、27.0%と下がります。ベトナムではシニア職の方が給与額あたりのコストが低く、多くの財務部門が他の市場で培った直感とは逆になります。
- サービス料の下限が、ジュニア職を割高にします(小さな給与に固定管理コストが乗るためです)。
- 法定拠出の上限が、シニア職を割安にします(23.5%が50,600,000ドンの基礎で止まるためです)。
- 中間の帯(割合が下限を上回り、上限はまだ効かない範囲)では、上乗せ率はほぼ横ばいです。
- チームの予算は給与帯ごとに別々に組んでください。ジュニア5名+シニア1名の平均で見積もると、過大にも過少にも見誤ります。
VATはサービス料だけにかかりますか、それとも請求書全体ですか?
請求書全体です。8%のVATは、総支給額・法定拠出金・サービス料の合計に対してかかり、サービス料だけにかかるのではありません。労働者派遣の枠組みではNhan Kietが法的な雇用主であり、給与はNhan Kiet自身の人件費、契約総額がサービス売上となるためです。これがベトナムEOR費用で最も多い誤解です。
- 理由は構造的です。労働者派遣ではNhan Kietが記録上の雇用主です。給与はNhan Kiet自身の人件費、契約総額がサービス売上で、「クライアントに代わる立替」として切り出す部分が存在しません。
- 給与計算アウトソーシングとの違い:法人が御社のまま残る給与計算アウトソーシングでは、給与は御社に代わって支払われ、VATはサービス料のみにかかります。EORでは給与の帰属先となる御社の法人がないため、その形にはできません。
- 実務上の差:総支給額20,000,000ドンで、サービス料だけへのVATなら208,000ドンです。請求書全体へのVATは2,184,000ドンです。前者を提示しながら後者で請求する見積りは、予算として使い物になりません。
- 8%は軽減税率で、決議204/2025/QH15(政令174/2025/NĐ-CPで実施)により2026年12月31日まで有効です。延長がなければ2027年1月1日から10%に戻ります。
EOR費用に含まれないものは何ですか?
従業員の総支給額そのものに加え、手当・賞与・歩合、13か月目の給与やテト賞与、時間外割増、外国人の労働許可証・ビザ、退職時の法定精算は、いずれもサービス料とは別のパススルー費用です。これらは御社の実費であり、事業者の手数料として提示すべきものではありません。
- 総支給額そのもの、および契約上の上乗せ(手当・賞与・歩合)。
- 13か月目の給与:法律上の義務ではなく慣行で、通常テト前に支払われます。賞与は社会保険の算定基礎の対象外のため法定拠出は生じず、サービス料への反映と8%のVATのみが関係します(詳細は後述します)。
- 時間外割増:2019年労働法(No. 45/2019/QH14)第98条で、平日150%、週休日200%、祝日・有給休暇日300%、深夜はさらに30%加算です。
- 外国人の労働許可証・ビザ。
- 退職時の法定精算(後述します)。
13か月目の給与やテト賞与はEORの費用にどう影響しますか?
賞与は社会保険の算定基礎の対象外です。したがって、Nhan Kietの給与計算を通じて支払う13か月目の給与やテト賞与には、社会保険・健康保険・失業保険・労働組合費のいずれの法定拠出も発生しません。支払った月の総支給額に加算されて8%のサービス料の対象となり(下限・上限は据え置き)、請求書全体として8%のVATがかかるだけです。
- 賞与は法定拠出の対象外です。社会保険法No. 41/2024/QH15第31条1項(b)と政令158/2025/NĐ-CP第7条により、生産性・業務量・業務の質に応じて変動する賞与は算定基礎から除外されます。したがって13か月目の給与・テト賞与・業績賞与には、社会保険・健康保険・失業保険も、2%の労働組合費もかかりません。
- サービス料への反映:賞与はその月の総支給額に加算され、8%のサービス料の計算に入ります。ただし、1人・1か月の下限2,600,000ドン・上限5,200,000ドンはそのまま適用されます。
- VAT:請求書全体に8%がかかります(賞与部分も含みます)。
- 個人所得税は別です。賞与は給与所得として個人所得税の対象で、従業員から源泉控除されます(御社の拠出が上乗せされるわけではありません)。税率はベトナムの個人所得税2026:新しい5段階税率表をご覧ください。
- 市場慣行:13か月目の給与は法定ではありませんが、ベトナムでは広く定着しており、テト前の支払いが通例です。テト賞与は業績連動で、企業の種類や業績によって支給額は大きく異なります。支払わない企業は採用競争で不利になりやすいです。
契約前に確認すべき「隠れコスト」は何ですか?
価格は境界がそろって初めて比較可能になります。保証金の有無、1人あたりのオンボーディング/オフボーディング費、為替スプレッド、プラットフォーム料、割合の算定基礎(総支給額か狭い基礎か)、最低人数・最低契約期間、そしてVATの課税基礎——これらは署名後に数字を変える項目です。
- 保証金はあるか(1〜2か月分の給与を担保として預ける例。費用ではありませんが、拘束される運転資金です)。
- 1人あたりのオンボーディング/オフボーディング費はあるか(短期案件では月額を上回ることもあります)。
- 為替スプレッドはあるか(給与請求への2%のスプレッドは、事業者間の表面手数料の差より大きいことが多いです)。
- プラットフォームは別料金か。
- 割合は総支給額にかかるか、狭い基礎か(手当を除く「基本給に対して」は、同じ%でも小さい手数料になります)。
- 最低人数・最低契約期間はあるか。
- 解約時:リリース費、買取費、自社法人へ転籍する際の転換費はあるか。
- VATはサービス料に対してか、請求書全体か(前述のとおり。1人・月あたり数百万ドンの差になりえます)。
- 詳しい確認手順はベトナムでEORを選ぶデューデリジェンス・チェックリストをご覧ください。
複数のEOR事業者の料金はどう比較すればよいですか?
同じ給与・同じ通貨で、各社の総額を同じ方法で組み立てて比べます。法定拠出金は法律で決まるためどの事業者でも同じで、ここが食い違えば一方が上限を誤っています。2種類の上限のどちらがどの拠出に適用されるかを答えられない事業者は、御社が購入しているコンプライアンス業務をしていません。
- 平均ではなく、実際に支払う予定の給与を1つ取ります。
- 法定拠出金を上記の料率で加えます(全事業者で同一です。2つの見積りが食い違えば、片方が上限を誤っています)。
- その給与での事業者のサービス料を加えます(下限・上限が効くか確認します)。
- 正しい基礎にVATを加えます。
- 保証金を運転資金の行として、オンボーディング/オフボーディング費を想定契約期間で按分して加えます。
- 最初と大きく離れた2つ目の給与でも、同じ計算を繰り返します。これが下限・上限をあぶり出します。
- 2つの拠出上限を正しく言えるかは、価格そのものより優れたデューデリジェンスの試金石です。
- 任意の給与での雇用主側の数値は、当社のベトナム給与計算機(現在はベトナム語・英語版のみ)でも試算できます。多くのオンライン計算機と異なり、両方の拠出上限を正しく適用します。
EORと現地法人設立では、どちらが費用を抑えられますか?
少人数や不確実なタイムラインでは、通常EORの方が安くなります。法人は雇用人数にかかわらず固定費がかかるためです。設立には通常2〜6か月かかり、投資登録から会計・税務申告・給与事務まで維持コストが続きます。損益分岐は自社法人の想定コストと人数次第です。
- 法人の固定費:投資登録証、企業登録、社印、銀行口座、税務登録、社会保険登録、その後も登録事業所・記帳・税務申告・給与事務、撤退時には清算費がかかります。
- EORにはこれらの固定費がありません。サービス料は1人あたりで人数とともに増える一方、法人は人数が増えるほど固定費を薄められます。
- 損益分岐点はケース次第です。法定拠出金はどちらでも同じなので、実質的な差はサービス料と法人の固定運営費の比較になります。
- 参考:JETROの2024年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)では、製造業ワーカーの平均基本月給はハイズン(北部)の242米ドルからホーチミン市の399米ドルまで地域差があり、どの給与水準を前提に試算するかの参考になります。
- 仕組みの全体像はベトナムのEORサービス:現地法人がなくてもベトナム人を雇用する方法をご覧ください。
駐在員(日本人)をEORで雇用する費用はベトナム人と違いますか?
違います。EORで雇用する日本人は現地採用の外国人従業員(いわゆる出向の駐在員とは別)で、失業保険がないため雇用主負担は23.5%ではなく22.5%です。退職金の扱いは逆転し(控除する失業保険期間がないため、勤続1年あたり半月分を当初から見込みます)、労働許可証は現地に拠点を持つ名義雇用主に発給されます。労働許可証・ビザの費用はEORのサービス料には含まれません。
- 拠出料率:失業保険がないため雇用主22.5%(社会保険17%+労災0.5%+健康保険3%=20.5%に、労働組合費2%)、従業員本人9.5%です。算定基礎はベトナム人と同じ月額給与で、賞与は同様に対象外です。
- 強制加入の要件:外国人は12か月以上の労働契約で、ベトナムの強制社会保険の対象になります(社会保険法No. 41/2024/QH15、政令158/2025/NĐ-CP、2025年7月1日から)。健康保険にも加入します。企業内転勤者、退職年齢に達した者、条約に定めのある場合は例外です。
- 企業内転勤者(ICT)の免除はEORには使えません。EORで雇用される日本人は、EOR(Nhan Kietのベトナム法人)と労働契約を結ぶため、通常の外国人従業員であり企業内転勤者ではありません。よって社会保険・健康保険は満額かかります(企業内転勤者の定義は近年厳格化されています)。
- 退職金:外国人は失業保険の対象外のため控除する期間がなく、勤続1年あたり半月分の退職金を当初から見込みます。ベトナム人は2009年以降の失業保険加入期間が控除されるため、通常はゼロに近くなります。
- 労働許可証・ビザ:EORのサービス料には含まれません(後述します)。詳しくはベトナムで働く外国人 2026年版:労働許可証と社会保険をご覧ください。
日越社会保障協定でベトナムの社会保険は免除されますか?
いいえ。日越社会保障協定は2026年9月時点で発効しておらず、2025年7月に政府間交渉が始まった段階です。日本国籍者がベトナムの強制社会保険を免除される仕組みは、現時点で存在しません。仮に将来発効しても、免除は原則として、派遣(出向)で送出国の制度に残る労働者に限られます。
- 現状:外務省は2025年7月に政府間交渉の開始を発表しました。日本年金機構が公表する発効済みの社会保障協定の相手国(24か国)にベトナムは含まれません(2026年9月時点)。したがって、ベトナムの強制社会保険の免除は今はありません。
- 発効しても対象は限定的です。日本の社会保障協定の一般的な仕組み(適用調整)では、免除されるのは送出国の制度に残る派遣(出向)労働者(通常おおむね5年まで)であり、ベトナムで現地採用された従業員は対象外です。
- EOR雇用への含意:EORで雇用される日本人は、ベトナム法人(Nhan Kiet)と労働契約を結ぶ現地採用の従業員であり、派遣(出向)ではありません。よって22.5%の外国人雇用主負担は今も、協定発効後も変わりません。予測しやすいコストという意味では、むしろ利点です。
労働許可証やビザの費用はEORに含まれますか?
含まれません。労働許可証は別建てです。政令219/2025/NĐ-CP(2025年8月7日施行)第4条により、労働許可証は、外国人が実際に働く省に本社・支店・駐在員事務所・事業所を持つ名義雇用主に対して、省人民委員会が発給します。Nhan Kietが手続きを一貫して代行しますが、許可は契約上の雇用主名義で発給されます。
- 名義雇用主の要件:政令219/2025/NĐ-CP第4条で、許可は実際の就労地の省に登記上の拠点を持つ雇用主に発給されます。1社が複数省に配置する場合は、本社所在省の人民委員会が管轄します。
- 申請書類:第18条で、雇用主の申請・必要性の説明、健康診断書、有効な旅券、無犯罪証明、写真、雇用形態の証明、管理職・専門家・技術者等の資格証明などが必要です。申請は就労開始の60〜10日前です。
- 現地拠点のない海外の親会社は、自ら労働許可証をスポンサーできません。ベトナムに法人と拠点を持つNhan KietのようなEOR事業者が、名義雇用主となる必要があります。
- 「名義雇用主でないのに許可をスポンサーする」と称する事業者は、政令が認めない仕組みを説明していることになります。
EORの請求にベトナムの外国契約者税や日本の源泉徴収税はかかりますか?
通常のEORの流れでは、どちらもかかりません。Nhan Kietはベトナムの居住法人で、請求書にVATを課すため、外国契約者税(FCT)は生じません。日本側も、ベトナム国内で提供される役務への支払いは日本の国内源泉所得に当たらないため、源泉徴収は不要です。ただし、役務が日本国内で行われる場合や日本に恒久的施設がある場合は別です。
- ベトナム側:外国契約者税は「ベトナムの当事者から所得を得る外国の契約者」に課されます。ベトナム法人であるNhan Kietの役務所得は通常のベトナム法人税の対象で、請求書にVATを課すため、外国契約者税は発生しません。
- 日本側:日本の企業がベトナムで提供された役務の対価をベトナム法人に支払う場合、国税庁の役務提供地基準(所得税法第161条・法人税法第138条)により、国外で行われた役務は国内源泉所得に当たらず、源泉徴収は不要です。日越租税条約でも、ベトナム企業の事業利得は、日本に恒久的施設がない限りベトナムでのみ課税されます。
- 留意点:役務の一部が日本国内で行われる場合や、Nhan Kietが日本に恒久的施設を持つ場合は、日本の源泉課税ルールが及びえます。標準的なEOR(ベトナムでの役務提供)を前提とした結論です。
従業員の退職・契約終了にかかる費用はいくらですか?
Nhan Kietはオフボーディング費も解約手数料も取りません。残るのは、従業員に支払うべき法定額の実費のみです。ベトナム人の退職金は通常ほぼゼロになります(2009年以降の失業保険加入期間が控除されるためです)。外国人は控除する期間がないため、勤続1年あたり半月分を当初から見込みます。
- 未消化の年次有給休暇の清算(2019年労働法第113条)。
- 賃金・未払額の14営業日以内の全額精算(第48条)。
- 該当する場合の退職金(第46条)。
- 社会保険手帳の閉鎖。
- 予告期間は契約類型で決まります。無期契約は45日以上、12〜36か月契約は30日、12か月未満は3営業日です。これらは有給で、退職予算に含めます。
- 不当解雇は高くつきます。第41条で、復職、就労できなかった日の賃金・拠出の支払い、さらに2か月分以上の給与が必要です。責任あるEORは、正当な事由と正しい予告なしに解雇を実行しません。名義雇用主としてその責任を負うためです。
EORの料金はどの通貨で請求され、日本から送金できますか?
料金はベトナムドンで見積り・請求されます。米ドル表記は目安の換算です。外国通貨での銀行振込による支払いも可能で、非居住者である外国企業向けには適法です。定額の米ドルで提示された場合は、ドンとの換算差(為替変動)を誰が負うかを必ず確認してください。
- ドン建て:見積り・請求はベトナムドンです。米ドルは目安の換算で、端数は四捨五入しています。
- 外貨送金の適法性:EORは非居住者である外国企業に提供されるため、通達32/2013/TT-NHNN第4条16項(b)(通達03/2019/TT-NHNNで補足)が、外国為替令第22条の原則禁止に対する例外を定めています。この例外は「顧客が誰か」に関するもので、契約の呼称に関するものではありません。
- 為替の所在:ドンで見積もりドルで決済すると、為替変動は換算する側が負います。定額ドルを提示する事業者には、背後のドン額をどう、いつ固定するかを尋ねてください。
- 日本円で予算化する場合は、為替レートと請求通貨をあわせて確認します。
契約の法的枠組み(労働者派遣かサービス契約か)は費用に影響しますか?
価格そのものよりも、価格が適法にカバーできる範囲とVATの構造に影響します。ベトナムにはEOR専用の法律がなく、労働者派遣(再派遣)か、商法に基づくサービス契約のいずれかで組む必要があります。枠組みが誤っていると、クライアントが直接処罰されることもあります。
- 労働者派遣(再派遣、いわゆるリース):2019年労働法第52〜57条と政令145/2020/NĐ-CP。クライアントが業務を指示します。事業者に許可と20億ドンの保証金が必要で、付録IIの20職種に限られ、第53条で1人あたり12か月が上限です。
- サービス契約(商法):事業者が配置・管理・監督し、クライアントは専門的な指示を与えます。期間制限も職種リストもありません。
- 直接処罰のリスク:枠組みが誤っていると、政令283/2026/NĐ-CP第19条2項により、組織には最大100,000,000ドンの罰金が科されえます(2026年9月10日施行、政令12/2022/NĐ-CPに代わる)。署名前にどちらの枠組みかを確定しない見積りは、誰も確認していない仕組みの価格を提示しています。
- Nhan Kietは、労働者派遣(再派遣)許可 番号15/2019/SHCMと、職業紹介事業許可 番号22139/2023/45/SLĐTBXH-VLATLĐを保有しています(いずれもホーチミン市発行)。
2027年からVATが10%に戻るとEOR費用はどう変わりますか?
8%は軽減税率で、決議204/2025/QH15により2026年12月31日まで有効です。延長がなければ、2027年1月1日から10%に戻ります。VATは請求書全体にかかるため、2027年をまたぐ予算は10%を前提に組むのが安全です。総支給額100,000,000ドンの例では、VATは9,406,800ドンから約2%分の税率差だけ増えます。
- 現行:軽減税率8%(決議204/2025/QH15、政令174/2025/NĐ-CPで実施)は2026年12月31日まで。
- 2027年:延長がなければ10%に復帰します。VATは請求書全体(総支給額+法定拠出金+サービス料)にかかるため、影響は小さくありません。
- 予算:日本の会計年度をまたぐ場合は、2027年分を10%で試算します。
署名前の短いチェックリスト
- 手数料ではなく総額を把握している:実際の給与での「総支給額+法定拠出金+サービス料+VAT」。
- 自社の給与水準で、下限・上限のどちらが手数料を変えるかを把握している。
- 事業者がどのVAT基礎で請求するかを把握している。
- 保証金の有無、オンボーディング・オフボーディング・転換費の有無を把握している。
- どの法的枠組みで、その枠組みに必要な許可を事業者が保有しているかを把握している。
- 2種類の拠出上限に照らして事業者を確認した——コンプライアンス業務が実体を伴うかを最も速く見分ける方法です。
法的根拠
- 2019年労働法(No. 45/2019/QH14)——第41・46・48・52〜57・98・113条ほか
- 社会保険法 No. 41/2024/QH15(2025年7月1日から)——第31条1項(b)(賞与は算定基礎の対象外)
- 政令158/2025/NĐ-CP——第7条(算定基礎からの除外)
- 政令161/2026/NĐ-CP——基準額2,530,000ドン、社会保険・健康保険の上限50,600,000ドン(2026年7月1日から)
- 政令293/2025/NĐ-CP——地域別最低賃金(2026年1月1日から)
- 2024年労働組合法(No. 50/2024/QH15)——労働組合費2%
- 政令145/2020/NĐ-CP——労働者派遣(再派遣)
- 政令283/2026/NĐ-CP(2026年9月10日施行、政令12/2022/NĐ-CPに代わる)——労働・社会保険分野の行政処罰
- 政令219/2025/NĐ-CP(2025年8月7日施行)——外国人労働者、労働許可証(第4・18条)
- 決議204/2025/QH15・政令174/2025/NĐ-CP——VAT8%(2026年12月31日まで)
- 通達32/2013/TT-NHNN・通達03/2019/TT-NHNN、外国為替令——外貨支払いの例外
- 個人所得税法 No. 109/2025/QH15・政令253/2026/NĐ-CP——賞与の個人所得税
Nhan Kietについて
Nhan Kiet(ニャンキエット人材供給有限会社/Công ty TNHH Cung Ứng Nhân Lực Nhân Kiệt)は、2009年4月からベトナムで給与計算と雇用を手がけ、34省で500社超のクライアントのために40,000名超の労働者を雇用しています。労働者派遣(再派遣)許可 番号15/2019/SHCMと、職業紹介事業許可 番号22139/2023/45/SLĐTBXH-VLATLĐを保有し、EORの価格を見積り依頼ではなく公開しています。人材は5〜7営業日で着任でき、法人設立に通常かかる2〜6か月と対照的です。
免責事項
本記事は一般的な情報であり、個別の法務・税務助言ではありません。内容は2026年9月時点のものです。実際の適用は各社の状況や最新の法令改正により異なる場合がありますので、具体的なご判断の前に、当社または有資格の専門家にご確認ください。
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